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札幌国際芸術祭に行ってきたよ(すすきの夜のトリエンナーレ/Underground Park)

こんばんは〜ニャントラです。風邪がようやく落ち着いたので昨日はお出かけしてきました。札幌国際芸術祭の中の催しである「すすきの夜のトリエンナーレ」と「Underground Park」に行って来ましたので、それについて書いてみます。

すすきの夜のトリエンナーレ

すすきののオークラビルの7階(有名ニュークラ・赤門倶楽部のお隣)でやっている美術展です。トリエンナーレってよく聞くけど何?と思って調べたら、3年に1回開かれる国際美術展覧会のことなんですって。へえ……(腑に落ちていない)

Chim↑Pomほか札幌のアーティストたちの作品がたくさんあったので、見れたものについて感想を述べていきます。昨日はパフォーマンスも色々やってる特別な日だったみたいなので、パフォーマンスについても言及します。

・多分高橋喜代史さんのパフォーマンス

途中から見たのでどなたのなんというパフォーマンスだったのかわからないんですけど、多分高橋喜代史さんだと思う……違ったらごめんなさい。寝そべった状態で顔の上に顔の形に切った黒い紙を載せ、上からローションをべたべたに垂らして、紙が顔に張り付いた状態でおもむろにルームランナーに乗り、尾崎豊の「僕が僕であるために」のサビを歌いながら走るというパフォーマンス。ちなみに「僕が僕であるために」のサビはこういう歌詞。

僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない

正しいものが何なのか それがこの胸に解るまで

僕は街にのまれて 少し心許しながら

この冷たい街の風に歌い続けてる

最初は「この人は何をやってるんだ?」と思ったんだけど、途中から、これはもしかして人生?と思って。黒い紙は、人生に降ってくる試練。それは、他人からの心ない言葉、妨害、トラブル、人によって色々だと思うけど。大人になり人生が進むにつれ、走る速度は上がり、向かい風は強くなり、試練が我が身に張り付いて呼吸を妨げる。それに耐えて「勝ち続けなきゃならない」と己を奮起させるんだけど、走れば走るほど、年を取れば取るほど疲れ果てて、結局倒れてしまう(死が訪れる)……ということなのかなと思った。パフォーマンスは倒れないまま終わったんだけど。冷静に側から見ると結構面白い光景だったと思うけど、人生だと思ったら笑って見る気にもなれず。でも、嘲笑したり応援したり、実際の人生にもそういう人たちは登場するわけでしょ。観客の反応はさまざまだったけど、そういう観客の反応も含めて人生だったのかなあって思った。

小泉明郎さん「mum

仕事帰り風のスーツ姿の青年が自室らしき場所で母親に電話し、「今どこにいると思う?今俺、戦場にいるんだ」と言って電話口でボイパ(と言うのかな)で戦争を再現し、「母さんごめん……」と言いながら死ぬ(演技)という短編ビデオ。見た時はよくわからなかったけど、今思えば彼は職場という戦場で戦っているということか?口でロケットランチャー再現するのがうますぎた。

・ヘルメットで石膏像に頭突きする動画

Chim↑Pomの人の作品。三浪した挙句東京藝大入学を諦めた後の作品だそうで、走り屋時代のヘルメットを被って石膏像に頭突きしまくり破壊する映像。とにかく「クソーー!!!!」という思い・初期衝動が溢れていてよかった。

・ERIGERO

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これだけ写真撮ってた。(写真を撮るのが苦手すぎて全然写真に残せない)

Chim↑Pomメンバーのエリイさんが黒ギャル姿で男たちからコールを受けピンクの液体を一気飲みして吐きまくるという映像。きれいに飲んだものだけを吐けているので、胃を空っぽにしてから飲んでいるのかな?と思った。胃ってどうやって空っぽにするんだろ?あの液体おいしいのかな?と思った。2005年の作品みたいだけど、ピンクのゲロってきゃりぱみゅとか江崎びすこ的なKawaii系の系譜を感じた。2005年なのでERIGEROの方が古いかもだけど?

・母になる前/なった後

どなたの作品だったか忘れてしまったんだけど。母になる前となった後で視点が変わったということで、母になる前の部屋と母になった後の部屋が用意されており、中にはそれぞれ小さなメッセージが書いてある。母になる前の部屋には鏡があるんだけど、母になった後の部屋から見るとマジックミラーになっていて、母になる前の自分の部屋の中が見えるようになっている。母になる前の自分は、今やもう自分そのものではなく、窓から覗き見るくらいの小さな箱に押し込められた存在になってしまったということか。母になった後の部屋の窓の近くに「寂しくさせてごめんね」というメッセージがあり、これは子供に対してのコメントでもあるだろうけど、自分の時間が取れないことから、蔑ろにしている自分自身に対してのコメントでもあるんじゃないかと思った。母になった後の部屋が暗かったのがつらかったけど……でも子どもはかけがえのない存在でもあり。人生、あちらを立てればこちらが立たずってことばかりだけど、子どもを産んでも自分を失わずにいることってできないのかな。100%"母"になるべきなのかな。

・skin hunger

身体をボディソープで白く塗り、CGで身体を透明にする動画。事故物件をリフォームして事故物件扱いでなくする技(?)があるけど、"人が死んだ"という事実をビジネスのために隠蔽工作することへの疑念みたいなことが元になっているそう。全然そういうことじゃないと思うけど、冷たい熱帯魚の「ボディを透明にする」を思い出した。

・僕はキミのもう片方

女性用風俗で働くセラピストに焦点を当てたドキュメンタリー。時間の都合で全部は見れなかったんだけど、女性用風俗で働く人は母親がいないことが多く、母性に飢えている傾向があり、「女性を癒やします」と言いつつ実際には客に母性を求めて癒やされている部分もあるのではないかという話。また、女性用風俗は家庭で性的に満足できない人の逃げ場として活用されている一方で、依存に陥っているケースもあるとか、まあ色々問題があったりなかったり、人それぞれ意見があるんだなという印象。まあ……性的不一致って人生の時期にもよるものだし本当に難しいことだけど、合法的な発散の場は男女ともにあっても良いような気がする。が、性的に受け入れられることが好意に繋がることもあるし(女性は特に?)、そこをしっかり切り離して考えるのって結構難しいようにも思う。レスになったら死ぬまで誰ともできないなんてそんな最悪な話はないなーと個人的には思うけど。なんか、人生で大事な存在を一つに絞ること自体に無理があるのではないかという気が最近はしている。そもそも付き合う相手と結婚する相手の理想像って別物なんだし。セカンドパートナー、今の価値観では突飛に見えるけど、人生の満足感をあげるには(従来の倫理観を捨てられるなら)良い方法のような気もする。

あとタブラ?ジャンベ?なんかの太鼓の奏者の方が太鼓を叩いて、地面に寝転がって振動を身体で体感するみたいな催しがあって、それも凄かった。音って本当に振動なんだなあって感じ。クラブで寝転がったらすごいのかも。小学生時代、体育館で寝転がった時の振動を思い出した。

すすきの夜のトリエンナーレについてはそんな感じでした。もっとしっかり見たかった!ところどころに椅子があって座れるようになってるけど、椅子の近くに展示もあるから、陣取られてると見づらくて。でも憩いの場とまではいかなくても話せるスペースも作りたかったんだろうし、難しいなーと思いました。住んでたらまた別の日にも行けたんだけど😓1,000円1ドリンクつきで会期中何度も行けるのは非常にお得だなあと思いました。アーティストの人にももっと話聞きたかったな。

なんかでも、アートってぶっちゃけよくわかんないなってずっと思ってたけど、必ずしも正しく読み取れなくてもいい(自分の解釈でいい)んだなというのがなんとなく実感できてよかったですね。正確には、作者の意図を正しく読み取りたい!と思うのも、己の解釈で良いと思うのも、個人の自由というか。作者の意図するところが正解だとしても、必ずしも正解に辿り着けなくてもいいんじゃないかなって最近はなんとなく思います。面白かったな。

 

Underground Park

さてクラブイベントの方についてです。

O.O.T.C.のイベントにはほぼ毎回行ってるんだけど、ななななななんと砂原良徳さまが出られるということで秒速で前売りをゲット。整理券A14でした(開場後行ったので無意味)。まりん効果でいつもより年齢層高めだったような。会場の様子を見ていて、なんとなく、若い子達にはヒップホップ(トラップ?)が来てるのかな〜と思いました。てか、多分今世の中にヒップホップが来てるよね?私が聴いてないだけで……。Awichの札幌公演は行きたい(唐突)。

まりんは正統派な四つ打ちテクノ……?ハウス?(本当にジャンルの区分がわからない)で、1時間半踊り狂った挙句腰が砕けました。なんだかんだ四つ打ちでとめどなく繋いでいくDJってあまり見たことがなかったような気もする。なんかでももっと無機質な感じを想像してたから(十分無機質だったと思うけど、さらに無機質な感じを想像していた)、こんな感じなんだあと思った。作るトラックとDJプレイの印象って必ずしも合致しないというか……卓球さんのDJも毎回「こんな感じなんだあ」って思ってる気がする。私だけかもしれないけど。

そんなド真ん前で見るつもりじゃなかったんだけど、気づいたら2列目にいて、最終的には最前でまりんのド真ん前になってしまい、途端に緊張してオロオロしてしまった。撮影OKだったんだろうけど、まりんを目の前にしてスマホを触るなど不敬すぎる気がしてひたすら踊ってました。なんか私どうも人にスマホを向けるという行為への嫌悪感が強すぎる(世の中的には大SNS社会なんだから撮影してシェアしてなんぼなんだろうけど)。すごく楽しかったな〜、頑張って遊びに行ってよかったですね。

あと順番前後するけどVeronicaは今回もすごく良かったです。Veronicaが良くないことなんかないんだけど。ものすごく今更な気づきだし本人たちもずっと言って来てたような気はするんだけど、Veronicaって流行ってる曲のリミックスみたいなのもかけるしドープなトラップ?も掛けるしアフリカ音楽?amapiano?も掛けるし、ものすごくごちゃ混ぜだけど、でも通底する空気感は変わらず、総合してVeronicaの色になってるんだなって、昨日初めて腑に落ちて。ジャンルがわかんなすぎてハテナいっぱいで申し訳ないんだけど、とにかくそう思ったの。そしてそれが真髄なんだなって。なんていうか、好きな音楽を組み合わせて形作られた空気感、その人にしかできないDJプレイがあり、それがDJの面白さなんだなあって。ブログも上手い下手に関係なくその人にしか出せない空気感や文体があるけど、それと同じなのだと。技術的なことはさておき、良いDJってのはその人にしか出せない空気感をちゃんと表現できること(なおかつ現場の空気を見て臨機応変に選曲を変化させること)なのかなあって思って、色々と腑に落ちた夜でした。うーん、mix録りたいね、ずっと言ってるけど。昔の焼き直しでもいいからまずひとつ作りたい。

はあ、永遠に書いてしまうのでとりあえずそんな感じで……。芸術祭、毎年思ってる気がするけど、なんせあちこちで色々やりすぎてて遠方に住んでる身としてはあまりにも全て回るのが困難すぎる。芸術祭のために帰る週末を設ければいいのかもだけど……。本当は明和電機展も雪まつりもLAUSBUBのライブも観たかったし。難しい。でも見れる範囲でも見たものはすごくよかった。全部見たかったねえ……。でも、とにかく楽しい三連休だった。来月はまたシネマフロンティアにセッションを観に帰る予定なので楽しみ。札幌国際芸術祭に関わった皆さま、素晴らしい催し物をありがとうございました。お疲れ様でした。ではまた!