Buddha's Face Sandwich

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アコギを買った/イカ墨パスタについて/哀れなるものたちと金カムを観た

・最近アコギを買った。私は今まで楽器というものをほとんどやったことがない。小6の時にけいおんの影響で親にエレキギターを買ってもらってたまに練習していたんだけど、ラルクHONEYと flowerをうっっっっすらと弾けるようになったかな……くらいで飽きて辞めてしまった。*1しかも「弾けるようになった」というのも「展開がわかるようになった」くらいで、人前で演奏できるレベルにはなかった。

そのエレキギター島村楽器のアンプとセットになってる激安初心者セットで、大人になってからハードオフに売られていったが、先日買ったのもまた性懲りもなく島村楽器の初心者アコギセットである。エレキでなくアコギにしたのは、安かったからだ(諸々セットで15,000円。安すぎてビビる)。多分、ちゃんとギターを弾く人からしてみれば「アコギの形をした何か」でしかないんだろうけど、本当のアコギはある程度弾けるようになってから買っても良いのだし、何より今の時点でもめちゃくちゃ楽しい。安物だからか6弦はビビるしチューナーもなぜか使用する度に電池を入れ替えないと電源がつかないけど、"自分の好きな曲を自分で弾いて歌える"ことがものすごく楽しい。自分だけで楽しんでるんだから最初から最後までしっかり弾けなくても良くて、歌いながらコードをじゃ〜んと弾いて合わせていくだけでも歌は完成する。なんて素晴らしい!エレキ時代の「楽しいけど、なんかつまらん」という気持ちが嘘のよう。ギターそのものを頑張らなくなりそうだから良くないのかもしれないけど、歌うことで自分で曲を完成させられること、「とりあえず完成」までのペースがすごく早いことが私向きなのだと思う。エレキギターだと、ゆーっくりでも通しで弾けたら確かに達成感はあるけど、途中うまく音が出せなくて挫けてしまう時もある。でもアコギの場合は歌でごまかしたり演出として「弾かない」という選択もできなくはなく、そういう自由度の高さがいいなあと思う。毎日色んな曲を弾いて楽しんでいるけど、岡村ちゃんの曲だけは他の曲で見かけないコードが度々出てくるので、あまり練習できていない。練習を進めていけば岡村ちゃんの凄さがまた一つ分かるような気がして、わくわくしている。

・26日の話だけど、お昼にイカ墨パスタを食べた。私はイカ墨パスタが大好きでサイゼリヤに行ったら必ず食べるんだけど、サイゼのイカ墨パスタのイカは、乾燥するめを水で戻したみたいな妙な食感の時が多々あり、最近は家でレトルトイカ墨ソース+生イカで作ることが多い。ジョリーパスタとかでもイカ墨パスタは食べられるんだけど、正直1,000円くらいする割に、上記の工程で作ったものとの違いがそんなによくわからない。ので、家で作っている。

しかしいつも思うけど、イカ墨ってちょっと黒すぎる。美味しいとわかってるはずなのに、「これ、食べるのか……」と毎回うっすら躊躇する。素材が真っ黒だからしょうがないんだけど……。イカ的にも、イカ墨を好んで食べる人がいると知れば「え……人間、オレらの墨食ってんの?」と思うかもしれない。海苔とかは真っ黒でも平気なのに、なんでイカ墨にはちょっと引いてしまうんだろう。海苔はちゃんと「元は海藻ですよ」という雰囲気を醸し出してるけど(なんか青緑っぽいし)、イカ墨はとにかく漆黒で正体がよく分からないというのもデカい。食べた後に毎回ビジュアル系みたいになるのも困る。

PSYCEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK……
(画像はイメージです)

デートに向かない食べ物四天王は、モスバーガー(ソースがこぼれやすい)、ケンタッキー(しゃぶらないといけない)、カレーうどん(服が汚れる)、イカ墨パスタ(食後がビジュアル系)で決まりと言って差し支えないだろう。

・昨日は映画館で「哀れなるものたち」と「ゴールデンカムイ」を観てきた。今までイオンシネマ会員はポップコーンを安く買えたのに、サービス改悪でポップコーンMとドリンクセットのクーポン以外消え去っていて、悲しかった。1人で食べるのにMはデカすぎる。

肝心の映画に関してはどちらもとてもよかった。「哀れなるものたち」は、予告編ではアングラアート系な雰囲気だったけど、実際観てみると結構喜劇的で面白かった。まあ、喜劇的と言ってもシニカルな喜劇さだし、エログロ描写は多々出てくるけど、物語に必要なエロだからあまりエロい感じはしなかったな。同じ性行為の場面を描いていたとしても、エロい目で見てもらおうとして描くのと物語に必要だから描くのとでは受け取り方も変わる(後者はエロく感じない)のかなと最近思う。とても面白かったので、極端にグロがダメじゃなければぜひ観てみてほしい。そんなに激しいグロはないです。

ゴールデンカムイ」は、自分が道民ということもあり、馴染みのある場所が多々出てきてなんだか嬉しかった。し、キャスティングが完璧と言っていいほど良かった。撮影は本当に過酷だったと思うけど、結果的に冬の北海道の美しさも相まって素晴らしい映像作品になっていると思う。ただ一点……これはこの映画だけでなく、多分漫画の実写化全般に言えることだけど、漫画の説明セリフを映画でそのままやるのは説明過多な気がした。映画って設定を全部セリフで説明させることはそんなにしない気がするんだけど(私の最近観た映画が"説明しない系"に偏っているだけ説はある)、ちょっと喋りすぎというか……。金カムはどうしてもアイヌ文化の説明が必要になるから、説明的になるのは仕方ないんだろうなと思うんだけど。逆に言えば原作にかなり準拠しているということでもあり、キャスティングもそうだけど、原作愛は感じた。漫画とのテンポ感の違いに違和感を覚えたりもしたけど、観客側の心構えとして、実写版を観る時点で「あくまでも漫画の映像化なので、漫画とはまた別の素晴らしさを体験するためのものである」という気持ちで観た方が良かったんだと思う。私の実写化経験値が足りなかった。

内容でちょっと考えさせられたのは、「人は役目なしに生まれてくることはない」というアイヌの言葉の話。「生まれた意味」系の話って色んな場面や創作物の中でも言われることだけど、果たして本当に"生まれた意味"を意識する必要はあるんだろうか。

私は生まれたこと自体は全くの偶然で、特別な意味はないと思っていて。「生まれた意味を考えよ」みたいな話は、せっかく受けた生を漫然と過ごすことなく、自律して暮らさせるための方便なのではないかなと思っている。まあ自分がそう思うならそれでいいんじゃないのという話なんだけど、なんだかあまりにも聞く話なので、本当は皆何か生まれた意味を持っているものなんだろうか・それを追求すべきなんだろうかと思ったりもした。でもまあ、自分はとにかく、生きる意味とかっていうよりも、その時々の自分に恥じぬ生き方ができていたらいいなと思う。

・しかし最近映画とか音楽とかを見聞きして感動する振り幅がものすごく大きくなっていて、感受性がバグっている感じがする。自分の身に何が起きているのかわからない。毎日やりたいことがあって忙しいけど、その分充実しているし、映画とか観て感情を動かすことが日々の充実感に繋がっているのかなとも思ったりする。やるべきことはしっかりやりつつバランスをとって楽しみたいところ(やるべきことは全然できていない)。

*1:けいおんに影響を受けたはずなのにけいおんの曲は1つも練習しておらず、今思えば謎である。