20160407:なんだかお話ししたかったから

旅行中ずうっと思っていたことがあった。

好きな男と話したい。目の前の景色を見せてあげたい、ほら桜がきれい、川の流れが穏やか、東京の夜はさみしげ、渋谷原宿は魔境、色んな人がいるよ、ってあなたにも見せたかったし、どんなことを言うか聞きたかった。

恋人ならきっと叶った。公衆電話から電話しても恋人ならきっと怒らないし、たのしい。でも彼はわたしの気持ちを知っているにせよ、あくまでも一方的な片思いであって、だからそんなことはできない。そういえば彼の携帯の番号も知らない。電話はできない。

もともとこの旅の最中に、眠る前だとかにお話しできたらいいなと思っていたから、スマホが壊れてお話できないのはさみしかった。単純にそれがさみしかった。

元来飛行機はにがてなので生きて帰れるかひどく不安だったのだけれど、もし生きてきちんと健やかに帰ることができたら、その時は彼に連絡しようと思っていた。

無事家に帰りついて、翌朝、そんな気持ちは薄れつつあって、でもあんなに大変な目に遭っておいて、ね、浅草寺の仏様が大吉を引かせてくれたのはここでがんばれってことじゃないしら、と思って、がんばって名前を呼んだ。

なんじゃい、と返事が来て、凍り付いた。なんとなく返事は来ない気がしていた、いや、彼そんなに悪い奴ではないから来ないわけはないのだけれど、でもどきりとして、言おうとしていたことが言えなくなってしまって、30分くらい時間をおいて、えいやと勢いで打った。「大した用事はないんだけれど、なんだかお話ししたくって。」

 

告白した時、わたしは彼に「これからも仲良くしてね」と言った。のだと思う。スマホが壊れてしまったために、今はもうその画像を見ることはできない。

彼は「仲良くしようって言ったのに、全然喋れないもんな」と言って、そのままわたしの旅行の話を聴いてくれた。うまく話せなくてもどかしい思いもしたけれど、彼のやさしさがうれしかった。やっぱり好きだと思った。

 

東京の街に一緒に行きたかった。どこか場所を決めたりなんてしなくていいから、ふたりで歩いてみたかった。過去形だけれど、まだできないと決まったわけではない、ないけれど。。

 

話気になるけどねむいから寝るね、と彼は言って、わたしは、ありがとう、と おやすみ、を言って、そのまま終えた、彼がほんとに気になっていたかどうかは怪しいけれど、おそらく気になってなんかなかったんだろうけれど、彼の優しさがうれしかった

 

彼のことをもっとすきになってしまった。わたしは北海道からは出られないと思う、やさしさに負けてしまいそう、素直に話せてよかった、きょうは